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バンコク在住のdappeneによるどーでもいい話


by dappene
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ベビースターラーメン論

ベビースターラーメンがセブンイレブンに並んでいた。
ついにタイでも発売されたのだ!

今まではその御姿はどこにもみることができなかっただけに、その衝撃たるや、江戸時代の田舎もんが紅毛人を初めてみた際の驚きにほぼ等しいほどなのであった。

実はdappene、このジャンクスナック界の巨人「ベビースター」の輸入を考えていたのだ。

というのも、製造元のおやつカンパニーはタイ国における販売において、セブンイレブン(正確には伊藤忠/チャランポカパン連合)と独占販売契約を締結しており、他の何人もこの傑作スナックに触るべからずとのお触れが出ていた、、、にもかかわらず、当のセブンイレブンは一向に販売する気配をみせずにいたからだ。

飼い殺しか。

幼少より慣れ親しんだ傑作菓子のフィールドがまずい偽物に食い散らかされているのを、だまって指をくわえて見ている訳にはいくまい。と、dappeneは今まさに立ち上がらんとするところであったのだ。

セブンイレブンから販売権を奪い取ろうと。。。
そしてタイの子供たちにこの傑作スナックを伝播せねば


相手は流通界ナンバー1の巨像だ。さすがに一人で立ち向かってもなにもできまいと、見抜いたdappeneは、すかさず知人に相談する。

すると知人は「何ぃ!あのベビースターがお蔵入りしているだぁ!」と瞬時に激怒し、すぐにタクシン首相の側近にアポイントを入れていた。なんという人なんだ!?そして「おやつカンパニーの担当者と今度会いましょう」と心強いコメント。そして、近い将来dappeneが輸入するベビースターを、タイの子供たちがむさぼり食う姿を夢想していたのであった。

と、そんな状況で突然セブンイレブンに商品が陳列されていたのだ。
この衝撃は江戸時代の。。。と、それはもう言ったか。
ベビースターラーメン論_d0022325_23204837.jpg

値段は20B(約60円)だ。かなり高い。ちなみにレギュラーサイズのポテトチップスと同じ値段だ。偽物のベビースターもどきは10B。これはなかなか厳しいぞ。ちなみにdappeneが輸入した場合の値段は10Bだ。これは絶対に譲れないのだ。

セブンイレブンは何もわかっていない。ベビースターというものを。
ベビースターはジャンクスナックなのだ。ジャンク即ち中毒なのである。

まずは金はないが菓子好きのガキを激安価格で中毒にしておいて、彼らが大人になって金はあるが菓子をあまり食わなくなった頃に高い値段で売りつけるのだ。

思い起こせばdappene幼少の時分、ポケットにはつねに10円玉が数枚しか入っていなかった。そんななけなしの金で満腹を得られる駄菓子はうまい棒かベビースターだった。当時、うまい棒は10円、ベビースターは20円。
ベビースターラーメン論_d0022325_1315244.gif

しかし、しかしである。
現在の両者の値段はあまりにも違いすぎるではないか!?

うまい棒が信じられないことに同じ10円を維持しているにもかかわらず、ベビースターは60円までインフレしているのだ。ここに「おやつカンパニー」という名の集団による謀略が見え隠れする。
ベビースターラーメン論_d0022325_13352670.jpg

それは諸葛孔明が弄したがごとく

あまりにも壮大で

あまりにも長期的で

あまりにも用意周到たる知略なのであった。


そこまでわかっていながら、それでも悲しいかなdappeneはコンビ二でベビースターを見ると購入してしまうのである。これは中毒としかいいようのない悲しき性なのであった。


ベビースターラーメン論_d0022325_13174766.gif

(右は中毒者が「値段はいくらでもいい売ってけろ!」と泣く泣く購入させられる60円版のパッケージ)

さて、ここでタイマーケットを見直してみる。物価は日本の約1/3だ。ものによっては日本より高いものもあるが、食品に関しては概ね安い。海外系のお菓子も半値程度が相場だ。そこで日本とほぼ同じ20Bという価格で売れるのか!?タイ人にとっては120円から180円くらいの感覚だ。しかも、現在の中毒患者はごく少数の在留日本人だけなのだ。

まだ、種まきの段階なのだ。今は10Bで量をさばき、国民を中毒化するステージなのである。

ちなみに10Bでもまだ高いだろ!dappeneも甘いな!と反駁する輩はメコン川の巨大なまずに丸呑みされるであろう。
ベビースターラーメン論_d0022325_1423682.jpg

タイ人は1バーツ硬貨を粗末に扱う。それは日本人が1円玉や5円玉を見る目と同じなのである。つまり金は5Bからが金で、それ以下は金にあらずといった感覚だ。とすると、5B硬貨=10円硬貨という式が成立する。この感覚を応用すれば10B=20円となるのである。ちなみにこの感覚はここが限界で、20Bになると20B紙幣がベーシックに流通していることも手伝い、フィーリングではなく、脳みそで貨幣価値を考えて判断してしまうので、一気に現実的な感覚に引き戻されてしまうのだ。

(ちなみにタクシーでは9B以下は平気で切り上げたり、切り捨てたりするが、20B多く払えば微笑み、20B少なく払えば激怒するのである)

そう、まさに10バーツこそが昔のベビースタープライスなのである。

dappeneここに断言す。
セブンイレブンよ、今一度戦略を見直したほうがよい。

by dappene | 2005-07-07 13:06 | つぶやき